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AppSheetで名刺管理アプリを作ってみた — ノーコードで業務効率化!わたしのDX推進奮闘記

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アナログ名刺管理からの脱却!なぜAppSheetだったのか?

私が本業で取り組んだDX推進の事例として、AppSheet(アップシート)を使って名刺管理アプリを自作した経験についてお話ししたいと思います。

「ノーコードって何?」「AppSheetって聞いたことない…」という方もいるかもしれませんが、ご安心ください。
私自身、テクノロジーとは無縁の保育士・介護士でした。
そんな私でも、今ではノーコードツールを使って業務アプリを開発できるようになりました。

この記事では、

  • なぜアナログな名刺管理に限界を感じたのか
  • 数あるツールの中からなぜAppSheetを選んだのか
  • 実際にどんなアプリを作ったのか
  • AppSheetでの開発は難しかったのか

といったことを、私の実体験を交えながらわかりやすく解説していきます。

アナログ名刺管理の悩みとDX推進への道のり

名刺の山が「宝の山」ならぬ「重荷」に?

皆さんの会社では、名刺管理ってどうされていますか?
私の勤めているのは、とても小さな企業なので、これまでアナログな方法で名刺を管理していました。

  • もらった名刺はとりあえず担当が自分で保管
  • 担当ごとに名刺ファイルがあり、共有されていない
  • 過去のやり取りは口頭かメール履歴を遡る

といった具合で、正直なところ「管理している」というよりは「保管している」という状態でした。

例えば、

  • 「〇〇社の△△さんって、以前どんな話をしたっけ?」
  • 「あの展示会でもらった名刺、どこにいったかな?」
  • 「異動になった〇〇さんの後任は誰だっけ?」

といった疑問が浮かんでも、すぐに答えが見つからない。
結局、名刺を探す時間や、関係者に確認する手間がかかり、非効率だと感じていました。
名刺は本来、人との繋がりを記録する「宝の山」のはずなのに、これでは「重荷」になりかねません。

Google Workspace導入した私とノーコードとの出会い

社員数が増加後、イベント出展する機会を控え、出展の時に大量の名刺交換が予想されていたので、市販の名刺管理システムを導入することを検討していました。
しかし、費用や機能の面で会社のニーズにぴったり合うものが見つかりませんでした。
そんな中、Google Workspace(旧G Suite)の導入をきっかけに、ノーコードで業務アプリが作れる「AppSheet」というツールを知りました。
そして、身近な業務の効率化に役立つアプリ作成に挑戦しようと思い、まずは名刺管理アプリを作ってみようと思いました。
ノーコードとは、プログラミング不要で直感的にアプリやWebサービスを作れるツールのことです。

「これなら、私にもできるかも!」と、ノーコードの世界に飛び込みました。

関連記事:総務が挑戦!IT初心者でもできたGoogle Workspace導入のリアル体験記

なぜAppSheetを選んだのか?

数あるノーコードツールの中で、私がAppSheetを選んだのにはいくつかの理由があります。

1. Google Workspaceとの連携のしやすさ

先にも述べましたが、Google Workspace(旧G Suite)を導入しています。
AppSheetはGoogleが提供しているツールなので、Googleスプレッドシートをデータベースとして活用したり、Googleドライブに保存した写真を連携させたりと、既存のGoogleサービスと非常にスムーズに連携できるのが大きな魅力でした。

新たなシステムを導入する際、既存のデータ移行や連携が課題になることが多いですが、AppSheetならそのハードルが低く、導入コストも抑えられます。

2. プログラミング不要で直感的な操作性

「ノーコード」というだけあって、本当にプログラミングの知識がなくてもアプリ開発ができます。
AppSheetの管理画面は直感的で、まるでExcel感覚でUIや機能を設定できます。※ただし、日本語非対応の点はややハードルになります。

もちろん、最初からすべてがスムーズだったわけではありません。
いつものように、書籍やWeb検索で情報を収集したり、YouTubeやUdemyの動画も利用しました。

参考書籍:
『Google Workspaceではじめるノーコード開発[活用]入門――AppSheetによる現場で使えるアプリ開発と自動化』

出版社:技術評論社
著者:守屋 利之
監修:辻 浩一、宮井 拓也

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3. 各種デバイス対応とオフライン利用

AppSheetで作成したアプリは、PCだけでなくスマートフォンやタブレットでも利用できます。
担当者が外出先で名刺を登録したり、顧客情報を確認したりするのに非常に便利です。

また、インターネット接続がない環境でもアプリの一部機能が利用できるオフライン同期機能も、重宝されるポイントでした。

AppSheetで作った名刺管理アプリの主な機能と工夫

私がAppSheetで作った名刺管理アプリは、主に以下の機能を備えています。

1. 名刺情報の登録・編集

  • 名刺の画像登録:
    スマートフォンのカメラで名刺を撮影し、アプリに直接アップロードできます。
    画像から自動でテキスト化できるため、手入力の手間が省け、誤入力の防止にもつながります。
    その後、担当から名刺をもらい、スキャナでキレイな画像を登録するようにし、名刺原本は、担当者が保管しなくてもよい仕組みをつくりました。
  • 複数交換者の登録:
    展示会では、社員それぞれが名刺交換をしたり、自社のブースでは、「〇〇担当の△△で…」と他社も自社も複数で交換することもあります。被って交換することも想定し、交換者は複数人登録できる設計にしました。
  • 基本情報入力:
    画像からテキスト化された会社名、部署名、役職、氏名、連絡先(電話番号、メールアドレス)などを入力します。
  • 重要度の分類:
    「A:重要・共有」「B:普通」「C:交換のみ」と分類できるようにし、「A:重要・共有」については、連絡先のリストがわかりやすく表示される画面も作成しました。
  • フリーメモ:
    備考欄を設け、名刺交換時の会話内容や、相手の趣味・嗜好など、記憶しておきたい情報も自由に書き込めます。

2. 検索・絞り込み機能

登録された名刺情報は、キーワード検索やタグによる絞り込みが可能です。
「あの会社のあの人、誰だっけ?」という時でも、すぐに必要な情報を見つけ出せるようになりました。

3. 関連情報との連携

  • Googleマップ連携:
    登録された会社の住所から、Googleマップで所在地を表示できるようにしました。訪問前のルート確認などに役立ちます。
  • メール・電話発信:
    アプリから直接、登録されたメールアドレスや電話番号にアクセスできるようにしました。

こだわりポイント:現場の声を取り入れた「使いやすさ」

アプリ開発で一番こだわったのは、現場の社員が「これなら使いたい!」と思えるような「使いやすさ」でした。

  • シンプルなUI:ごちゃごちゃせず、直感的に操作できるデザインを心がけました。
  • 入力項目の最適化:必要最低限の項目に絞り込み、入力の手間を減らしました。
  • スマホでの操作性:片手でもスムーズに操作できるよう、ボタンの配置にも配慮しました。
  • 交換場所の初期設定:展示会などの場面で毎回入力しなくて済むよう、よく使う場所を初期値として自動入力できるようにしました。

開発途中では、実際に名刺を管理している社員にヒアリングを行い、フィードバックを何度ももらいながら改善を重ねました。
このプロセスが、本当に「使える」アプリを作る上で不可欠だったと実感しています。

AppSheetでの開発、難しかった?つまづきポイントと乗り越え方

「ノーコード」とは言え、やはりアプリ開発は初めての経験。
もちろん、いくつか「ここ、どうすればいいの!?」と頭を抱える瞬間もありました。

つまづきポイント1:データベースの設計

AppSheetの核となるのは、Googleスプレッドシートなどのデータベースです。
どのような情報を、どのような形式で保存するか、最初の設計が非常に重要になります。

  • 「後からこの項目を追加したいけど、どうすればいい?」
  • 「この情報とこの情報は、どう関連付ければいい?」

といった疑問が次々と湧いてきました。

乗り越え方:まずは手書きで簡単なデータベースの設計図を書き、必要な項目やデータ型(テキスト、数字、日付など)を洗い出しました。
また、AppSheetの公式ドキュメントやYouTubeのチュートリアル動画で、データベース設計のベストプラクティスを学ぶことができました。

つまづきポイント2:関数の使い方

AppSheetでは、Excelのように「関数」を使って、データの計算や表示形式の調整、条件に応じた処理などを設定できます。
ExcelやSpreadsheetの関数とは違うので、最初は見慣れない関数に戸惑いましたが、これがアプリの機能を拡張する上で非常に強力なツールとなります。

乗り越え方:最初は簡単な関数から試していき、少しずつ複雑な処理に挑戦しました。
Google検索で「AppSheet 関数 〇〇(やりたいこと)」と調べると、多くの情報が見つかります。

つまづきポイント3:エラーとの格闘

開発中にエラーメッセージが表示されると、「何が原因で、どう直せばいいのか…」と途方に暮れることもありました。

乗り越え方:エラーメッセージをよく読み、AppSheetの公式ドキュメントでエラーコードの意味を調べたりしました。
地道な作業ですが、一つ一つ解決していくことで、AppSheetの理解が深まりました。

諦めない心が一番の武器

正直、何度も「ああ、難しい…」と思ったこともあります。
しかし、「このアプリができたら、きっと業務がもっとスムーズになる!」という想いと、ノーコードで自分の手で何かを作り上げる楽しさが、私を突き動かしました。

もし、今「自分には無理かも…」と感じている方がいたら、ぜひ諦めずに挑戦してみてほしいです。
小さな成功体験が、次のステップへの大きな自信につながります。

アプリ導入後の変化と今後の展望

AppSheetで作成した名刺管理アプリを導入して、私たちの会社では以下のような変化がありました。

1. 情報共有のスピードアップと精度向上

  • 必要な名刺情報に素早くアクセスできるようになり、情報検索の時間が大幅に短縮されました。
  • 名刺交換後すぐにアプリに登録することで、情報の抜け漏れや誤入力が減少しました。
  • 担当者間で顧客情報を共有しやすくなり、引き継ぎや連携がスムーズになりました。

2. 業務効率の改善

  • 物理的な名刺ファイルの管理が不要になり、オフィススペースの有効活用にも繋がりました。
  • 会議前や商談前の情報収集にかかる手間が減り、より本質的な業務に集中できる時間が増えました。

3. 「わたしにもできる!」という自信

そして何より、「テクノロジーは難しくない、わたしにも使えるんだ!」という大きな自信を得ることができました。
この成功体験は、その後のDX推進の取り組みにも良い影響を与えています。

今後の展望

この名刺管理アプリは、DX推進の「第一歩」にすぎません。
今後は、さらに以下のような機能を追加して、より便利にしていきたいと考えています。

  • 顧客との接触履歴管理:
    名刺情報だけでなく、電話やメール、訪問など、顧客とのすべての接触履歴をアプリで一元管理できるようにしたいです。
  • リマインダー機能:
    特定の顧客に定期的に連絡する、といったリマインダー機能を設定できるようにして、顧客フォローを強化したいです。
  • Googleカレンダー連携:
    アプリから直接、顧客とのアポイントメントをGoogleカレンダーに登録できるようにしたいです。

【まとめ】テクノロジーを「わたしらしく」使いこなす

今回は、私がAppSheetを使って名刺管理アプリを自作した経験についてご紹介しました。

以前は「アプリを自作できるなんて」と思ってもいませんでしたが、ノーコードとの出会いでテクノロジーの捉え方が一変しました。

「難しそう」と感じるテクノロジーも、使ってみれば意外と身近で、日々の暮らしや仕事を豊かにしてくれるツールになるんだと実感しています。

AppSheetのようなノーコードツールは、プログラミングの知識がなくても、あなたの「こんなものがあったらいいな」を形にできる強力なツールです。
もしあなたが、日々の業務で「もっとこうなったらいいのに…」と感じているなら、ぜひノーコード開発に挑戦してみてはいかがでしょうか。

「わたしにもできた」という実感が、きっとあなたの未来を彩る一歩になるはずです。

関連記事:DXとは?意味から事例まで「私の言葉」でやさしく解説

参考書籍:
『Google Workspaceではじめるノーコード開発[活用]入門――AppSheetによる現場で使えるアプリ開発と自動化』

出版社:技術評論社
著者:守屋 利之
監修:辻 浩一、宮井 拓也

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プロフィール
Happy lnk.
"Tech Palette" を運営している "Happy Ink." です。
保育士からキャリアをスタートし、福祉現場や事務職を経て、 現在は中小企業でDX推進・システム業務を担当しています。
AIやWeb制作、ノーコードツールに出会い、 独学でスキルを学び直した経験から、「テクノロジーを、私らしく使う」ことをテーマに情報発信中。
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