AppSheetで顧客・営業・代理店を一元管理!ノーコードでつくる自社アプリ開発のリアル

AppSheetとの出会いが、私の働き方を変えた
私が最初にAppSheetを使ってつくったのは、シンプルな名刺管理アプリでした。
イベント出展を控える中、大量の名刺交換が予想され、市販の名刺管理システムの導入を検討しましたが、費用や機能面で合致するものが見つかりませんでした。
そこで、Google Workspace導入をきっかけにノーコードで業務アプリが作れる「AppSheet」を知り、業務効率化の一環として名刺管理アプリの作成に取り組むことにしました。
最初は本当に不安でした。
「アプリってプログラマーが作るものじゃないの?」
「何かコードを書かないといけないのでは?」
そう思っていた私が、使えるアプリを自分の手で形にできたのです。
このとき感じた「わたしにもできた!」という実感が、のちに顧客コンタクトアプリを開発する挑戦へとつながっていきます。
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社内業務にAppSheetを活用!次に挑戦した顧客管理アプリ開発
新規サービスの立ち上げが始まり、顧客・営業・代理店とのやり取りが一気に増えました。
共有していたGoogleスプレッドシートは次第に複雑になり、
「誰が」「いつ」「どのお客様に」「どんな対応をしたか」が追えなくなってきました。
営業メンバーからは、こんな声もありました。
- 「あの資料、どのスプレッドシートにあったっけ?」
- 「代理店経由のお客様とのやり取りが分散して見づらい」
- 「訪問先の場所をすぐに地図で見られると助かる」
この課題をなんとかしたいと思い、社内用の顧客コンタクト管理アプリをAppSheetで開発することを決意しました。
名刺管理アプリでの成功体験があったからこそ、「もしかしたら、またできるかもしれない」と思えたのです。
AppSheetって?ビジネスに役立つノーコード開発ツール
AppSheetは、Googleが提供しているノーコードアプリ開発プラットフォームです。
Googleスプレッドシート、Drive、MapsなどのGoogleサービスと連携し、コードを書かずにアプリを作ることができます。
使い方はとてもシンプルで、 元となるスプレッドシートを用意し、AppSheet上で「どの列を表示するか」「どのように入力させるか」などを設定していきます。
ボタンやフォーム、グラフ、マップ、リストなどをビュー(実際の見た目)を確認しながら作れるので、もともとが技術職ではない私でも、業務で十分に使えるアプリを完成させることができました。
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アプリの構成 — 顧客・営業・代理店の3つの情報を連携
目的と背景
このアプリの目的は、複数の関係者とのやり取りを一元管理することです。
スプレッドシートでは情報が散らばりがちで、データの重複や検索性の悪さが課題でした。
特に、「顧客」「営業担当者」「代理店」の三者が絡むやり取りは、情報が複雑に交差します。
AppSheetを活用することで、関係性を整理し、業務の流れを可視化できるようになりました。
リレーショナル設計による3テーブル構成
この顧客コンタクト管理アプリは、複数の情報を連携させるためにリレーショナル形式でデータを構成しています。
具体的には、以下の3つのテーブル(シート)を連携させています。
1. 顧客管理テーブル(16列)
- 管理項目
法人名、カナ、部署、役職、担当者氏名、電話番号、メールアドレスなど - 役割
顧客の基本情報を網羅的に管理し、誰でもすぐに顧客の全体像を把握できるようにします。
2. 営業管理テーブル(11列)
- 管理項目
コンタクト日、コンタクト方法(電話、メール、訪問など)、コンタクト内容、コンタクトの方向(受信・発信)、資料添付など - 役割
顧客への営業活動やコミュニケーション履歴を詳細に記録します。
これにより、「いつ、誰が、何を話したか」が明確になり、営業の進捗状況が把握しやすくなります。
3. 代理店テーブル(9列)
- 管理項目
代理店法人名、カナ、担当者情報など - 役割
代理店とのやり取りを整理し、顧客管理テーブルと紐付けることで、代理店経由の顧客情報も一元的に管理できるようにします。
これらのテーブルが連携していることで、例えば顧客の詳細情報から、その顧客への過去の営業履歴を一覧で確認するといったことがスムーズにできるようになります。
現場の「こうしてほしい」に応えた4つの工夫
このアプリは、実際に社内で使いながら改善を重ねてきました。
開発時に特に意識したのは、「現場で本当に役立つこと」だけを取り入れるという姿勢です。
1. 営業ステータスを可視化
「営業中」「導入済み」「検討中」など、進捗状況を色付きラベル・アイコンで表示。
全体の流れを一覧で把握でき、営業チーム内の共有がスムーズになりました。
2. 外出先でもサクッと確認できるUI設計
- 顧客のWebサイトにアクセスするリンクをアプリに設置
- Google Maps連携で、営業先の場所を地図表示
外出中にスマホからアプリを開き、そのまま現地へナビゲーションできるのが好評でした。
3. 資料の添付が可能な営業記録
営業コンタクトの履歴に、PDFや画像をそのまま添付可能。
提案書や議事録などをアプリ上で管理できるので、「あの資料どこだっけ?」がなくなりました。
4. 位置情報ビューでルート計画もスムーズに
訪問先の場所をピン表示できる地図ビューを実装。
1日に複数件の営業がある日でも、訪問ルートを効率的に計画できるようになりました。
AppSheet導入で得られた業務改善の効果
導入から数か月が経ち、以下のような改善が実感できています。
- 問い合わせ内容の履歴が即座に確認でき、対応のスピードが向上
- 営業の進捗状況が可視化され、会議の議題設定も効率的に
- 情報の分散が減り、誰が見ても「同じ情報」にアクセスできる安心感が生まれた
技術的に高度な仕組みはありませんが、シンプルだからこそ運用に定着しやすく、業務の即戦力になりました。
今後のアップデートと活用の広がり
現在は、次のような機能追加も検討しています。
- 顧客ごとのサービス利用状況をスコア化して表示
- 一定期間連絡がない顧客に、自動でリマインダーを通知
- 営業担当者ごとの対応数や進捗をレポート化して分析
AppSheetは、「まず動くものを作って、使いながら改善する」という考え方にぴったりのツールです。
ノーコードでも、ここまで業務にフィットしたアプリが作れるということを、私自身が実感しています。
【まとめ】AppSheetは「テクノロジーを、わたしらしく」叶えるツール
AppSheetは、プログラミングの知識がなくても、現場で役立つ業務アプリを自分で作れるノーコードツールです。
私は名刺管理アプリからスタートし、顧客・営業・代理店を一元管理するアプリを実際に構築しました。
この体験を通じて、「テクノロジーは自分には難しい」と思っていた感覚が変わりました。
自分の働き方や、チームの課題にあわせて、テクノロジーを“私らしく”使える実感が得られたのです。
あなたも、業務のちょっとした不便や「こうだったらいいのに」を形にしてみませんか?
AppSheetが、きっとその一歩を後押ししてくれます。
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